理事長からのメッセージ

たいへん残念なことですが、2002年の米国に続き、わが国でも粉飾決算や会計監査における不祥事が相次ぎました。新聞やテレビなどのメディアがこれほど「会計」や「監査」について連日のように報じたことは、かつてありませんでした。会計およびその報告を所管する官公庁や団体は、会計を公正に行なうためのプロセスの導入を企業に働きかける一方で、会計監査そのものにも厳しい目を向けました。

こうした動きは、市場経済社会のなかできわめて重要な役割を会計監査という仕事が担っていることを、社会に広く知らしめたと同時に、私たちにとってはその責任の重さをあらためて気づかせたと言えます。市場もまた会計監査の品質を強く意識するようになりました。たとえば、会計監査人の優劣によって企業価値の評価などに影響が出るようになれば、私たちのクライアントは当然、私たちを厳しく選別するようになります。監査の品質はもとより、コンプライアンスへの組織的な取り組みのほか、監査人一人ひとりの倫理観や品格が問われる時代になるというわけです。従来、特殊な存在としてとらえられてきた監査法人も、「選ばれる」ことを強く意識しながら公的な使命を果たし、サービスを競い合っていく時代になったことを、しっかりと理解しておく必要があります。

ところで、監査法人にとっての資産は言うまでもなく「人財」です。人材を「人財」に変えるためには、ハードルの高い仕事を与えると同時に、能力開発のための機会の提供が欠かせません。あずさ監査法人には、年次や経験、段階によって異なる階層別研修制度に加え、担当分野別研修や海外派遣、海外研修など業界でも屈指の多彩な教育プログラムがそろっていますが、それらを本人の資質や特性、希望するキャリアに合わせて提供する制度づくりも進んでいます。人事部とは別の視点から長期的な人材育成の企画立案と推進を担当する「HR企画本部」を設置したのも、改革が進む会計士業界のなかで、多様な能力を持ったリーダーを数多く育成するという目的のためです。

とりわけ近年は産業ごとに変化が速く、グローバル化も急速に進んでいるため、私たちもそうした状況に追いついていかなくてはなりません。また業界知識や技術の理解に加えて、国際会計基準や米国会計基準の知識、パソコンなどのITリテラシー、語学力、さらにはプレゼンテーションスキルまでが問われています。国際的な取り組みにおいては、私たちは4大国際会計事務所のひとつであるKPMGのメンバーファームですから、常に新しい情報に接し、グローバルな視点をベースに業務にあたっています。外国人に接する機会や海外の基準に直接ふれる機会、海外出張や赴任なども少なくありません。

あずさは「ベストファーム」を目指しています。すなわち「人材」「クライアント」「品質」の3つにすぐれ、それらが相互に関連し合うファームです。高い能力と専門性を持った人たちが、優良なクライアントとの切磋琢磨によって社会的な使命を十分に果たし、自らを育て、それが品質のさらなる向上を生みだす……そんな好循環を永続的にくり返すファームのことです。

いま、会計士の肩書を持つ人材が、会計や監査の分野だけでなく、経営コンサルティングや投資銀行、資産運用、さらには行政や政治といった世界に活躍の場を広げています。そんな今こそ、「真のプロフェッショナル・ナンバーワン・ファーム」を目指す私たちと一緒に会計士としてのキャリアをスタートさせることは、皆さんにとって価値あるファーストステップになると信じています。自分の将来だけでなく、産業界の明日や日本の未来を考え、私たちとともに論じ合い、研鑽を積みながら、ともに成長していきませんか。




あずさ監査法人 理事長 佐藤正典

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理事長 佐藤正典