財務報告に係る内部統制の取り組み状況調査
2006.10.26
あずさ監査法人は、平成18年8月、「日本版SOX対応における取り組み状況調査に関するアンケート」を、東京証券取引所一部・二部市場に上場する会社を対象に行い、合計513社からご回答いただきました。本資料は当該アンケートの結果を取りまとめたものです。
調査概要と回答企業の属性
調査概要
■調査目的 平成20年4月1日以降に開始する事業年度からの適用が決まった「財務報告に係る内部統制の評価と監査(日本版SOX)」について、国内主要企業における具体的な取り組みの現状を調査する。 ■調査対象企業 全国の東証一部・二部上場企業 (2006年6月時点) ■サンプル数 設定:2,192社
回答:513社 (回答率 23.4%) ■調査法 郵送調査法 ■調査期間 2006年8月7日 〜 8月31日
■調査地域 全国
回答企業の属性
全体的取り組み状況について
|
「財務報告に係る内部統制」に対する全社的な取り組み状況については、既に「取組作業完了」「本格展開中」「試行作業中」と具体的作業に着手、もしくは完了した会社が3割に達していることは、他の制度制定時に比し、特徴的である、ということができます。
これは、先行して導入した米国の実績等から、対応にはかなりの時間がかかる、ということが事前に認識されているためと思われます。
尚、「取組作業完了」と回答した会社(2.9%)のほとんどは、米国SOX対応会社、もしくはその子会社でした。
取組状況の進捗度合いと売上高との間にはある程度の相関関係がみられました。相対的に売上規模の大きい企業の方が、内部統制に対する取り組みが進んでいる結果となりました。同様の傾向は、従業員の規模での相関関係にもみられました。
これは、会社規模が大きいほど、対象範囲が広がり、作業量・必要工数(時間)も多くなることを想定し、早めにプロジェクトをスタートさせているケースが多いため、と思われます。
(%)
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||
作業着手時期について
|
17.5%の会社が実施基準公表後、58.2%の会社が年内(2006年12月)に作業を着手する予定と回答しています。
「実施基準公表後」、「年内」、及び「事業年度内」の3つの合計が9割近くに達していること、また、回答いただいた多くの会社が3月決算であることを考えると、大部分の会社が2007年3月までに具体的作業に着手することが読み取れます。
プロジェクト主管部署について
|
「財務報告」に係る内部統制であること等より、経理部門が主管部門になる傾向が強いようです。
この傾向は、売上高、従業員数の各規模、および市場の相違による違いはほとんどありませんでした。
尚、内部監査部門が主管となる会社も15.9%あり、内部監査部門が制度導入後のモニタリング機能を担うことだけを予定しているのではなく、日本版SOX対応プロジェクトにおいて中心的な役割を果たしている会社も多いことが判明しました。
プロジェクト専任者設置状況について
|
全体として、半数近くがプロジェクトメンバーに専任者を設置していることが判ります。
また、売上高、従業員数の各規模が大きい会社ほど、専任メンバーを設置する割合が高いことが判明しました。
一方、確かに規模が大きな企業ほど絶対数としての専任者の数は増えるものの、従業員や売上あたりでの専任者数は減少する結果となりました。
(%)
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
プロジェクト人数について
|
「未定」と回答した会社が40.0%あるものの、半数近く(49.2%)の会社が専任換算で4名以上のプロジェクトメンバーを配置していることが判りました。
この「専任換算で4名以上のプロジェクトメンバーを有する会社の割合が高い」という傾向は、売上高、従業員数の各規模、市場の相違には関係なく見られる、ということも判りました。
規模の大きな企業ほど多くのプロジェクトメンバー数を有する傾向が分かりましたが、一方、従業員や売上あたりでのメンバー数は、必ずしも規模の大きさほどは比例しないという結果となりました。
(%)
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
プロジェクトメンバーの出身部門について
|
プロジェクトメンバーの出身部門として、経理部門、情報システム部門、内部監査部門の順に高いことが判りました。
これは、「財務報告」に係る内部統制ということから経理経験・スキル、内部統制評価(テスト)=内部監査との考え方から内部監査経験・スキル、内部統制評価に不可欠な専門的能力としてIT経験・スキルが重要視されていることがアンケート結果に表れたものと推察されます。
尚、未定・未回答を除いた369社中、実に47.7%にあたる176社が経理部門、内部監査部門、情報システム部門の3部門全てからプロジェクトメンバーとして参画させていることが判りました。
懸念事項について
|
要員不足、コスト増を最大の懸念と考えていることを改めて確認することができました。
一方で、「何をしなければならないのが明確でない」と回答した会社が4割強も存在することが判明しました。
|
