業績評価・中期計画の立案方法
第1回 業績評価とは
2003.09
業績評価とは、業績評価基準を定めて企業や行政等の現状の問題点を測定、評価することです。その結果に基づき、PDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルを循環させ、企業や行政等の継続的な変革を促進し、業績の向上を図る経営手法を業績評価マネジメントと言います。
業績評価という用語が日本で使われだしたのは昭和40年代と言われていますが、事業部や関係会社等の組織評価や人事評価の意味で用いられることが多く、業績評価基準が総合的な経営管理システムとして使われることはありませんでした。しかし近年においては、組織の変革を推進し、その変革の遂行と成果をモニターするための仕組みとして、民間のみならず、パブリックセクターでも業績評価が注目を浴びつつあります。
1.PDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクル
業績評価は、目標・評価方法の設定(Plan)、実施(Do)、評価(Check)、改善・指導(Action)という循環型評価体系を機能させなければ継続的な組織変革をもたらすことができません。
(1)Plan−目標・評価方法の設定
まず、組織がその達成を目指す目標を作成します。
組織のミッション(Mission)から展開された戦略計画(Strategic Plan)を作成し、目標として具体化させます。また、具体化された目標は、「現在の組織の状況」と、組織を取り巻く利害関係者から「今後求められる役割期待」とのギャップを解消する方向性を有していなければなりません。
そして何よりも、組織全体として、その構成員すべてが共有できるものでなければなりません。
次に、目標の達成状況を適切に判定する評価方法を選択する必要があります。経営管理手法として様々な業績評価の手法が存在しますが、一般には適用する組織にあわせてカスタマイズしなければ、適切な評価体系を構築することはできません。
(2)Do−実施
設定された目標達成のために、組織全体として取り組みの推進を図るとともに、進捗管理が必要になります。組織の特定の部署のみが目標を課され、その達成に取り組むものでは、組織全体の変革には結び付きません。
(3)Check−評価
実施状況は、一定期間ごとにその成果を測定し、目標との対比で評価されなければなりません。その際重要なことは、成果及び目標の達成状況の測定をいかに行うかです。
定量評価が最もわかりやすいのですが、必ずしもすべて定量化できるとは限りません。
また、評価の客観性を担保するため、組織内部の実施主体とは独立した部署が評価するとともに、組織外部の有識者等による外部評価委員会を設けることも有益です。
(4)Action−改善・指導
目標の達成状況の評価から今後の課題を明らかにし、課題の解決に向けた具体的な改善行動を立案、実施していかなければなりません。
また、改善行動の目標を定め、次のPDCAサイクルのPlanに反映しなければ継続的な組織変革をもたらすことはできません。
なお、Check(評価)とAction(改善・指導)の内容は、組織内部で公表されることが不可欠であり、また同時に組織外部にもわかりやすく公表することで、組織の取り組みを対外的にアピールすることができます。
2.業績評価の分類
業績評価はその実施時期、実施対象等により、次のように分類できます。
- 事前評価と事後評価(実施時期)
- 事業評価、組織評価、個人評価(実施対象)
- 期間評価とプロジェクト評価(評価期間)
- 総合評価と個別評価(評価基準)
- 内部評価と外部評価(評価主体)
- 制度評価と自主評価(評価の強制の有無)※
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一般に業績評価は、民間では組織が自主的に行うものが主ですが、パブリックセクターでは、独立行政法人のように制度的に評価が義務付けられているものがあります。 |
以上の分類は、業績評価においては個々に独立するものではなく、相互補完的に組み合わされて業績評価の体系を構築します。
次回以降では、パブリックセクターにおける業績評価を解説します。
