企業会計の基礎講座
第8回 連結会計 II
2008.01
第7回で連結会計の概要、作成の手順を紹介しましたが、第8回では具体的な連結手続・処理方法を説明します。
1.連結の範囲の確定
(1)子会社範囲の確定
連結の範囲を決定するには、まず子会社の範囲の決定が必要になります。子会社の判定基準は、議決権の一定割合を所有しているかどうかの持株基準に実質的な支配関係の判定を加味した支配力基準が採用されています。支配力とは、他の会社の意思決定機関を支配していることをいい、議決権の所有だけに限りません。
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意思決定機関を支配している場合とは
- 議決権の過半数を自己の計算において所有している場合。
- 議決権の40%以上、50%以下を自己の計算において所有し、かつ、下記のいずれかに該当する場合。
イ) 緊密な関係及び同意している者と合わせて過半数を占めている。
ロ) 現又は元役員・使用人が、取締役会等の構成員の過半数を占めている。
ハ) 重要な財務・営業又は事業決定方針を支配する契約等が存在する。
ニ) 資金調達額の過半について融資(債務保証含)を行っている。
ホ) その他の意思決定機関を支配していることが推測される事実がある。 - 自己と自己と緊密な関係にある者で合わせて議決権の過半数を所有し、かつ、下記のいずれかに該当する場合。
イ) 現又は元役員・使用人が、取締役会等の構成員の過半数を占めている。
ロ) 重要な財務・営業又は事業決定方針を支配する契約等が存在する。
ハ) 資金調達額の過半について融資(債務保証含)を行っている。
ニ) その他の意思決定機関を支配していることが推測される事実がある。
(2)連結子会社の確定
子会社の範囲が確定したら、次に連結子会社の確定を行ないます。
連結財務諸表原則では、「原則としてすべての子会社を連結の範囲に含めなければならない」としていますが、次に該当するものは連結の範囲に含めないことになっています。
- 支配が一時的であると認められる会社
- 連結することで利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれのある会社
- 重要性のない小規模会社
子会社であって、その資産、売上高等を考慮して、連結の範囲から除いても企業集団の財政状態および経営成績に関する合理的な判断を妨げない程度に重要性の乏しいものは、連結の範囲に含めないことができます。
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2.連結対象会社の会計処理の統一
連結財務諸表を作成し、企業集団の財政状態及び経営成績を適正に表示するためには、各連結会社間の会計処理を統一する必要があります。連結財務諸表原則では、「同一環境下で行われた同一性質の取引等」について統一しないことに合理的な理由がある場合または重要性がない場合を除いて、原則として親会社に統一することを指示しています。
公会計においては、地方公共団体は官庁会計が主に使用され、財政援助団体などは、企業会計、公益法人会計など様々な会計処理が行なわれています。適正な連結財務諸表を作成するために、会計処理の統一は非常に重要になります。
3.連結特有の会計処理(連結調整の実施)
連結会社の会計処理を統一し、各連結会社の財務諸表を合算すれば、連結財務諸表の基礎となる単純合算の財務諸表が完成します。これに、以下の連結特有の会計処理を行なうことで連結財務諸表が完成します。ここでは、代表的な連結会計処理を説明します。
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資本連結処理
これは、親会社の子会社への投資勘定と子会社の資本勘定とを相殺消去する処理です。
単純合算の貸借対照表では、親会社の投資勘定と子会社の資本勘定が総額で表示されており、表裏一体にある両者を相殺する必要があります。 - 債権債務の相殺消去処理 連結会社間で経済取引を行い期末に連結会社相互に債権債務が残っていても、企業集団全体からしてみれば債権債務は存在しないこととなります。よって、債権債務の相殺消去が必要になります。これも、単純合算貸借対照表で総額で計上されている債権債務を相殺する処理です。
- 取引高の相殺消去処理 債権債務の相殺消去と同様に、連結会社間の経済取引高(売上仕入等)が単純合算損益計算書に総額で計上されているため、取引高相殺消去を行ないます。
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未実現利益の消去処理
これは、連結会社取引で発生した内部利益で、期末において企業集団内に留まっているものを消去する処理です。
例えば、連結会社間で商品販売取引を行えば販売した会社側に内部利益が発生します。期末において当該商品が企業集団内に残っていた場合、当該商品に係る内部利益は企業集団からしてみれば外部に販売していない以上、実現していないことになります。よって、実現していない内部利益の消去が必要になります。
