企業経営に関するトピック解説

2007.06
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決算・財務報告プロセスに係る内部統制

財務報告に係る内部統制においては、一般的に販売や購買などの業務に係る内部統制に関心が置かれがちですが、本来の基準の趣旨からいえば、むしろ、経理部門で行う決算・財務報告プロセスの内部統制の有効性を検証することが、虚偽記載や財務報告上の誤りを是正する意味で非常に大きな意味があります。過去2年間先行している米国の事例を見ても、多くの内部統制の重大な欠陥が決算・財務報告プロセスに関係しており、その重要性がわかります。わが国の財務報告に係る内部統制報告制度においても、決算・財務報告プロセスについてそれ以外の業務プロセスと区分されて内部統制の評価範囲・評価方法が示されていることからも、このプロセスが重視されていることがうかがえます。

本稿では、こうした決算・財務報告プロセスに係る内部統制の文書化と評価をいかに行うかについての一例を提供します。


I.決算・財務報告プロセスに係る内部統制の重要性

財務報告に係る内部統制というと、販売、購買、生産、給与といった、いわゆる上流プロセスを中心にして語られることが多いですが、財務報告の信頼性を担保するためには、とりわけ出口プロセスである決算・財務報告プロセスが重要です。これは、いかに上流プロセスが完璧であっても、それを財務諸表や開示情報に転換する過程で、容易に虚偽記載が起きる可能性が大いにありうるからです。米国の事例においても、初年度に検出された重大な欠陥の上位5項目は、すべてこの決算・財務報告プロセスに関連するものであったことからも(収益の認識、税効果会計、リース会計、経理の人材不足等)、いかにこのプロセスが重要であるかがうかがえます。

日本企業にとって決算・財務報告プロセスは、販売や購買のような上流プロセスと異なり、経理財務の特殊な技能を持つ経理人員の長年の経験で職人芸的に行われていることが多く、特に昨今の複雑な新会計基準や特殊な取引の発生等のため、マニュアルや社内規定等の整備が遅れていると言っても過言ではありません。それゆえ、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」(以下、「実施基準」という)においては、決算・財務報告プロセスをそれ以外の業務プロセスと区分し、内部統制の評価範囲・評価方法を示しています。

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