企業経営に関するトピック解説

2007.04
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関連当事者の開示

平成18年10月17日に、企業会計基準委員会より「関連当事者の開示に関する会計基準」および「同適用指針」が公表されました。これは、関連当事者の開示がIASBとの会計基準のコンバージェンスに向けた共同プロジェクトにおける検討項目となったことを踏まえ、検討、整備されたものです。本稿では、現行の証券取引法関係規則からの変更点を中心に解説します。

IASB(International Accounting Standards Board)= 国際会計基準審議会



I.関連当事者の範囲

会計基準第5項によれば、現行の証券取引法関係規則に追加的に開示が要求される関連当事者は以下の6者になります。

1.

財務諸表作成会社の共同支配投資企業

2.

共同支配企業

これらは「企業結合に係る会計基準」で定められていますので、証券取引法関係規則の改正等により、「その他の関係会社」と「関連会社」にそれぞれ含まれることを明確にしています。

3.

親会社の役員およびその近親者、これらの者が議決権の過半数を自己の計算において所有している会社およびその子会社

国際的な会計基準とのコンバージェンスを背景にその対象を拡大したと考えられます。

4.

重要な子会社の役員およびその近親者、これらの者が議決権の過半数を自己の計算において所有している会社およびその子会社

専門委員会ではこの「重要」が子会社にかかるのか、役員にかかるのかが議論になりましたが、会社グループの事業運営に強い影響力を持つ者が子会社の役員にいる場合には、当該役員がこれに該当することとし、さらに、会社グループの中核となる事業活動を子会社に委ねている場合(最近増えている組織再編による純粋持株会社の設立の場合など)には、当該子会社の役員のうち当該業務を指示し、統制する役員がこれに該当するとされています。すなわちその役員個人のグループにおける重要性で判断することになります(会計基準21項)。

5.

従業員のための企業年金(企業年金と会社の間で掛金の拠出以外の重要な 取引を行う場合に限る)

これはIAS24号およびSFAS57号を参考に今回の基準に取り入れられましたが(同23項)、実務上は大きな影響はないと考えられます。

6.

会計参与およびその近親者、これらの者が議決権の過半数を自己の計算において所有している会社およびその子会社

会計参与は新たに会社法上、役員として規定されたことを踏まえたものです。

また、本会計基準における関連当事者に該当するかどうかは、あくまでも実質基準で判定して、形式基準ではないことを明確にしていますので、注意が必要です(会計基準17項)。したがって、創業者一族で役員を退任しても強い影響力を持つ場合などは、役員に準ずる者として考えられます。

実務上さらに注意すべきは、連結財務諸表と個別財務諸表での関連当事者の範囲が異なる点です。連結財務諸表においては連結子会社は連結の範囲に含まれていますので関連当事者に該当せず、また、個別財務諸表においては重要な子会社の役員およびその近親者等は関連当事者に該当しないことに留意が必要です。


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