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2005.12
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退職給付会計における「未認識差異」について
退職給付会計では、会計基準変更時差異や数理計算上の差異などの未処理額を総称して「未認識差異」と呼んでいます。「未認識差異」は、貸借対照表や損益計算書に直接計上されるものではありませんが、いずれ費用処理すべきものであり、企業財務マネジメントにおいて注視すべき項目といえます。また、財務諸表等に注記が必要な項目であり、投資家からも関心が高い項目と思われます。本稿ではまず「未認識差異」の意味や会計上の取扱いについて解説します。次に、直近の未認識差異残高の状況について実際の開示データにもとづき確認します。そして、未認識差異の中でも恒常的に発生しうる「数理計算上の差異」に着目し、その発生要因とコントロールについてもコメントします。
I.概説編
1.制度の概要
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- 退職給付債務のうち、年金資産や退職給付引当金による手当てがまだなされていない部分を「未認識差異」といいます。会計上、これらは一定期間にわたって遅延認識し、引当金計上を行っていくこととされています。
- 未認識差異は、発生要因別に「会計基準変更時差異」「過去勤務債務」「数理計算上の差異」の3つの項目の未処理額で構成されます。このうち数理計算上の差異については「見積りの前提と実績の差」により恒常的に発生しうるもので、資産運用の巧拙や市場金利の変動だけでなく、さまざまな要因によって発生します。
- 各企業の開示データを分析すると、未認識差異の残高は企業間でかなりばらつきがあります。このため、各社の未認識差異の償却負担にも差が生じていると思われますし、これに注目している投資家も少なくないようです。したがって、企業としては、未認識差異、特に数理計算上の差異のコントロールが肝要です。
- なお、3つの項目の費用処理方法は必ずしも同じではありませんので、注意が必要です。
- また、企業年金の財政運営で用いられる「過去勤務債務」と退職給付会計で用いられる「過去勤務債務」は異なる概念であり、混同しないよう注意する必要があります(II.5.年金財政基準との相違参照)。
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図表1■ 退職給付会計のバランスシートのイメージ
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