繰延税金資産の回収可能性の要件には、以下の3つがあります。
1.収益力にもとづく課税所得の十分性
この要件は、将来減算一時差異の解消年度およびその解消年度を基準として税務上認められる欠損金の繰戻しおよび繰越しが可能な期間において、当該将来減算一時差異または税務上の繰越欠損金の解消額を十分吸収できる課税所得が発生する可能性が高いと見込まれなければならないというものです。
将来の課税所得は、過年度の納税状況および将来の業績予測等を総合的に勘案し、将来の合理的な予想利益に予想申告調整額を加減して合理的に見積る必要があります。ただし、繰延税金資産の回収可能性を判断するための将来の課税所得は、将来減算一時差異等の解消額を反映する前の課税所得です。
なお、将来減算一時差異の解消額が解消年度の課税所得を上回ったとしても、税務上の繰越欠損金の予測可能かつ合理的な繰越期間において十分な課税所得が見込まれるのであれば、回収可能と判断することができます。
2.タックスプランニングの存在
この要件は、含み益のある固定資産(土地)または有価証券を売却することなどにより、通常の事業活動とは別に将来の課税所得を発生させることで、当該課税所得が将来減算一時差異または税務上の繰越欠損金の解消額を十分に吸収できるかどうか検討することです。この場合、含み益を有する資産を保有しているだけでなく、当該資産の売却という具体的な計画等が存在していることが必要であり、実務上、取締役会等により機関決定された事業計画に反映されていることが必要です。
3.将来加算一時差異の十分性
この要件は、将来加算一時差異について繰延税金負債が計上されている場合に、将来の課税所得とは別に、その解消年度の解消額が将来減算一時差異または税務上の繰越欠損金の解消額を十分に吸収できるものであるかどうか検討することです。具体的には、解消額が合理的に計算できる圧縮対象の償却性資産や、税務上一定の期間で取り崩される特別償却準備金等が対象となります。
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