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![]() 会社法改正の方向性〜会社法制の現代化の解説〜 10月末に「会社法制の現代化に関する要綱案」が公表される予定です。その基本方針と、話題性が高いいくつかの項目について、それぞれの内容や提案のもととなった背景などを、わかりやすく説明します。 I.はじめに 1.改正の審議状況等 法務省の法制審議会会社法(現代化関係)部会ではかねてより、「会社法制の現代化に関する要綱案」(以下「要綱案」という)について検討を重ねてきましたが、すでに7月中に内容の実質的審議をほぼ終了し、最終的な調整をした後、10月末に要綱案を公表する予定です。要綱案の内容をもとに法案化され、平成17年春の通常国会での可決成立を目ざすこととなります。 2.「会社法制の現代化」がめざすもの 改正の基本方針
<諸制度間の規律の不均衡の是正> 近年において、会社法制は、短期間に多数回の改正が行われました。その中には議員立法による改正が含まれていたこともあり、諸制度間の規律の不均衡が発生し、諸制度間の整合性を図るための対応が必要とされていました。委員会等設置会社と監査役設置会社の取締役の責任や利益処分の権限の相違に対する調整などが、この例としてあげられます。また、「株式会社と有限会社の規律の一体化」や「会社財産の払戻しに対する横断的規制」なども、制度間の規律の不均衡を是正するための改正と位置付けることができます。 <社会経済情勢の変化への対応> 会社法はその国の経済力を高める重要なインフラであるといわれています。近年の会社法改正は、わが国の経済状況に対応し、経済界等からの強い要望があったファイナンス関係の一層の規制緩和、ストックオプションや自己株式取得の自由度の拡大などを優先的に行うとともに、よりよいコーポレート・ガバナンスが結果的には全体的な経済力を高めるとの考えをもとに、ガバナンスの選択肢の拡大と監督強化が行われてきました。今回の改正も従来の規制緩和、自由度の拡大などの基本的理念を維持しており、上記の事項に加え、国際的な対応をも含めた企業再編に関する選択肢の拡大や、会社設立時における最低資本金の規制緩和、実務界から要望のあった新しい会社形態(日本版LLC)の創設など、経済政策面への対応がより一層試みられているものと思われます。 <情報開示の充実> このように、今回の要綱案の内容も従来の改正に見られた規制緩和やビジネス上の選択肢の拡大の路線を引き継いでいますが、一方において、このようなさまざまな規制緩和等に対応して、情報開示を充実させることにより、株主や債権者等の利害関係者保護への配慮がなされていることも特徴の1つといえます。いわゆる「合併等対価の柔軟化」における対価の内容を相当とする理由の書面での開示、取締役会限りによる剰余金分配の確定制度における剰余金処分に関する理由書の開示や株主持分変動計算書の作成、また、後述するように、株式会社の機関設計等の規律に関して大幅な緩和が提案されているなかで、決算公告制度は維持されたことなどが、この例としてあげられます。なお、新たに提案された会計参与(仮称)の制度は、中小会社の情報開示の充実を促進する役割をも持っているものと思われます。 II.株式会社と有限会社の規律の一体化 1.現行の株式会社と有限会社を、1つの会社類型(株式会社)として規律する 現在、出資者である社員の有限責任が保障された会社形態として、有限会社と株式会社があります。株式会社に関する規律は大規模かつ公開的な会社を想定して厳格なものとなっており、有限会社の規律は閉鎖的な中小企業を想定し、株式会社のものと比べ緩やかな内容となっています。しかし、現実には日本の株式会社の大部分は小規模かつ閉鎖的であり、株式会社に関する規定の多く、たとえば、決算公告、附属明細書の作成などが守られておらず、さらに取締役会や監査役の監督が形骸化されるなど、法規制と実態が著しく乖離している状況が生じています。この状況を解決するために、従来から法制上の対応がなされてきましたが、依然として形骸化の状況は改善されたとはいえません。 2.株式会社の機関設計の選択肢の拡大 1で述べたように株式会社と有限会社の規律を一体化した場合に、まず、端的に取り上げられるのが、機関設計のあり方です。現行の株式会社のうち、どのような考え方にもとづき、現行の有限会社型機関設計を許容するかの検討が行われました。要綱案では、株式会社を、まず、会社の閉鎖性、すなわち株式譲渡制限の有無で区分し、次に中小会社(現行の大会社以外の会社)か大会社かで区分し、さらに株式譲渡制限会社については、取締役会の設置の有無により分類することとしています(図表1参照)。 図表2■「株式会社の機関設計」について
●は現在、有限会社で認められているもので、新たに株式会社にも認められるもの
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