サブプライム問題/金融危機
■サブプライムとは
サブプライムとは、元々はプライム(prime)に準じるという意味であり、一般的に信用力が低い債務者のことを指します。サブプライムローンとは、延滞履歴のある人や所得が低い人など信用力の低い借り手を対象としたローンのことをいいます。
■サブプライムローン問題について
米国では、住宅ブームが本格化したことや、金融機関が貸出の審査基準を緩和したこと等にともない、サブプライムローンが2004年頃から急増しました。サブプライムローンは、当初の2年から3年は金利が低く固定され、それ以降は、金利が大幅に高くなり、かつ変動金利が採用されているケースが多くなっています。そのため、サブプライムローンの利用者は、購入した住宅の価格が値上がりした時点で、住宅を担保にローンの借り増しや、信用力が高く金利負担が軽減される「プライムローン」への借り換えを行ってきましたが、2006年の住宅ブームの終焉により、住宅価格が下落に転じると、延滞するケースが急増しました。
一方、貸付を実施した金融機関の多くは回収リスクの回避目的のために、サブプライムローン債権を証券化し、住宅ローン担保証券(Residential Mortgage Backed Securities、RMBS)等として世界中に売り出していましたが、サブプライムローンの延滞率の上昇や2007年3月の米国の大手住宅ローン会社が経営難に陥ったこと等をきっかけに、証券化商品の価格が急落しました。その結果、サブプライムローン債権に投資していた金融機関やファンド等が巨額の損失を計上したり、破綻するなどの深刻な影響を受け、世界的な信用不安が拡大し、金融危機(世界同時株安)を引き起こしました。
■原因分析および政策対応
このような混乱の原因分析および政策対応については、既に多くの国際機関において検討されており、金融安定化フォーラム(FSF:2009年4月に「金融安定理事会(FSB)」として再構成)やシニア・スーパーバイザーズ・グループ(SSG)等により様々な提言がされています。具体的には、(1)自己資本、流動性、リスク管理に関する健全性監督の強化、(2)透明性・価格評価の強化、(3)信用格付の役割・利用の変更、(4)当局のリスク対応力の強化、(5)金融システムにおけるストレスに対応するための堅固な体制、といった内容について検討されています。また、バーゼル銀行監督委員会も、金融機関のリスク管理態勢の強化のためのガイダンス作成(ストレス・テスト実務および監督上の諸原則など)やバーゼルIIの見直しに着手しています。国内においても、監督指針の改正(市場リスク、信用リスク、市場性のあるクレジット商品の管理)、自己資本比率規制の弾力化、中小企業向け融資の貸出条件緩和が円滑に行なわれる措置等の政策対応が取られてきています。
