あずさ監査法人

投資リスク

「投資」とは「利益を得る目的で、資金を証券・事業などに投下すること」を指します。「投資リスク」とは、極めて平易に言えば、「投資から期待した通りの利益が得られないリスク」ということになります。民間企業において特に関心が高いのは、企業の本来のビジネスに投資する場合のリスク、すなわち「事業投資リスク」であり、事業投資リスクとは、事業採算の不確実性から発生する損失あるいは利益減少の可能性を表したことばといえます。

投資リスクを事業採算に影響を及ぼす要因全般を指すものと定義すれば、マクロ経済環境要因、競争要因、市場リスク、信用リスク、カントリーリスク等の様々なリスク要因から構成されたリスクと捉えることができます。また、事業投資は企業戦略と不可分と考えられることから、企業戦略との整合性を維持できない状況に陥って撤退、売却に至ることも事業投資リスクとして捉える傾向にあります。

一般に事業投資を行う場合の原則は、投資家の期待するリターンを達成できる事業に投資することとにあると言われますが、正確には投資家の期待する「リスクに見合ったリターン」を達成できる事業に投資することにあります。

事業投資における投資リスク管理体制の基本は、

1

投資意思決定時における、適切なリスク/リターンの予測による最適投資の選択、意思決定

2

事業開始後のパフォーマンス、さらには今後の見通しとリスクについての適切な評価とモニタリング

3

不採算事業についての明確な撤退基準とその実施


にあるといえます。

こうした管理においては、いかに定量的に「リスク/リターン」を把握するかということが重要なテーマになりますが、投資価値の評価指標として近年普及しているDCF法では個々の投資におけるリスクを適切に反映することが難しいという問題をはらんでいます。リスクを評価する指標としては、RORAC(リスク調整後資本利益率)、VaR(バリューアットリスク)、EaR(アーニングアットリスク)等があり、事業投資を本業の柱としている業態では、内部管理における経営指標として事業投資リスクを考慮したものを使用している例もあります。