リスク測定
リスク測定とは、特定されたビジネスリスクの重要性や発生可能性の大きさはどのくらいか、企業価値に対するインパクトはどのくらいかを測定することを意味します。重要なリスクを数量的に測定することはリスクマネジメント戦略を策定する際に、より適切な判断をもたらすという意味で非常に重要です。ビジネスリスクの測定方法は、測定の洗練度の高い順に、統計分析、シナリオ分析、感度分析、エクスポージャ測定、リスク格付(スコアリング)、グループまたは個人による自己評価が挙げられます。
統計分析 統計的分析手法は確率や期待値の概念を含めたモデルであり、主に金融機関で利用されているVaR(バリューアットリスク)がこれに相当します。VaRは為替、金利、株価等の変動により生じるマーケットリスクを統計的に計量化する手法のひとつであり、市場が平常の状況にある場合に想定される最大損失を計測します。例えば為替では「5%の確率で、現在保有している外貨建債権が10日以内に3億円以上の損失を被る可能性がある」と表現されます。 |
シナリオ分析 シナリオ分析は想定される複数のシナリオ(戦略オプション)に基づいて、より複雑で広範囲な影響をダイナミック(動的)に測定する方法です。通常、どの企業でも事業進出や投資案件のビジネスプランについてある程度、複数のシナリオを策定し意思決定をしており、この分析手法が用いられています。 |
感度分析 感度分析は一定あるいは極端な市場変動がポートフォリオへどのような影響を与えるのかを測定します。例えば金利が1%上昇したら損益にどのくらいの影響があるかを測定します。 |
エクスポージャ測定 文字通り「リスクにさらされている量」を測定します。例えば為替リスクのある外貨建て債券債務や金利リスクのある借入金、回収リスクのある未収入金などの金額の測定を指します。さらには金融資産や有形資産に限らず、ブランドやチャネル、顧客、従業員といった企業価値をエクスポージャと考え、測定するべきとも考えらます。 |
リスク格付(スコアリング) 最初に一定の基準を設け、格付を行うのに必要なデータを収集しランキングする測定方法です。金融機関やクレジット会社などの顧客の信用格付などが代表例です。 |
グループまたは個人による自己評価 内部監査や外部監査のように第三者が評価するのではなく、コントロール環境を実際に維持している人々自らが、主観的に評価する方法です。自己評価の手法は、個人の定性的自己評価手法であるアンケートや自己評価質問書によって行うものと、セッションなどを利用するグループによる自己評価手法があります。 |
