あずさ監査法人

危機管理(クライシスマネジメント)

危機管理(クライシスマネジメント)とは、一般に企業の存続可能性を脅かすような重大リスクへの対処および事前準備等を意味します。発生可能性が低くても、発生時の影響が甚大であり、対応を誤ると緊急事態に陥るような重大リスクを対象とした、企業のリスクマネジメントの一部と解釈されています。
かつては、重大リスク発生時に自社が被る損害を最小化することが重視されていましたが、最近ではそれだけでなく、いかに平時の事業復旧を果たし、事業を継続化させるかという点が重視されており、事業継続マネジメント(BCM:ビジネス・コンティニュイティ・マネジメント)と呼ばれることが多くなっています。

危機管理では重大リスク発生時に適切に対応するために、危機発生前の平常時から、危機発生後直ちに適用できる緊急時対策(被害最小化・拡大防止対策、二次被害防止対策、復旧対策の早期立上げ策等)とそれに続く復旧対策を明確にして、常に最新化させることが非常に重要となります。これらを事業継続計画(BCP:ビジネス・コンティニュイティ・プラン)として整備し、訓練等を通じて、企業の全構成員に浸透させることが必要です。またBCP策定にあたっては、リスクシナリオ分析や業務・資産の優先度評価などを含むビジネスインパクト分析が重要となります、これも一部の部署だけではなく、全社的な取組みとして行うことが重要です。

2011年3月11日に発生した東日本大震災では、多くの企業が直接的/間接的な影響を受け、危機管理の重要性を再認識しました。サプライチェーンのすそ野の拡大により、一部の調達先の事業停止が自社のみならず業界全体の事業停止にまで影響を及ぼしました。また、震災等の災害への備えだけでなく、今後も発生が懸念される強毒性の新型インフルエンザへの備え、食品業界におけるO-157やO-111等の感染症・食中毒への備え、依存度が高まる情報システムのトラブルへの備えなど、リスクの複雑性を増すビジネス環境において、今後とも企業における危機管理への取り組みはますます重要で、かつ必要不可欠なものとなっています。