ISAE3402
ISAE3402(国際保証業務基準3402)とは、委託会社の財務諸表に係る内部統制に関連する受託業務(信託財産運用・保管、給与計算等)の内部統制について評価する、受託会社監査人の基準として国際会計士連盟(IFAC)が定めたものです。米国においては、AICPA(米国公認会計士協会)がSSAE16(米国保証業務基準書第16号)を定めています。
従来、委託会社の財務諸表に係る内部統制に関連する受託業務の内部統制について評価する受託会社監査人の基準については、SAS70(AICPA)が広く利用されていましたが、今後、ISAE3402による報告書が多くなると想定されます。
■報告書の用途
ISAE3402は、委託会社の財務報告に係る内部統制に関連する受託業務の内部統制を評価する基準です。受託会社が報告書を定期的に作成し、委託会社に開示することによって、次のような効果が期待できます。
1. | 受託会社は、受託業務に関連する内部統制の整備・運用状況と独立監査人による客観的な評価の結果についての情報を、委託会社およびその監査人に提供することができます。 |
2. | 委託会社は、SOX法及び内部統制報告制度における財務報告に係る自社の内部統制を評価する際、委託した業務の評価方法の一つとして報告書を利用できると想定されます。 |
3. | 報告書を利用しない場合と比べて、受託会社、委託会社及びその監査人全体の負担を軽減できると想定されます。 |
■報告書の種類と開示先
ISAE3402で作成される報告書には、評価対象や受託会社監査人の意見表明の内容が異なる、Type1及びType2の2種類があります。
報告書 | 評価対象 | 開示先 | 表明される意見 | ||||||
Type1 | 受託会社のシステム(※)の記述書並びに記述書に記載の統制目的に関連する内部統制の設計状況 | 委託会社 |
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Type2 | 受託会社のシステムの記述書並びに記述書に記載の統制目的に関連する内部統制の設計及び運用状況 | 委託会社 |
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※ | 受託会社のシステム: |
■報告書の構成
報告書は、通常、以下のように構成されると想定されます。
第1部 | 受託会社の独立監査人による保証報告書【受託会社監査人が作成】 |
受託会社のアサーションについての合理的な保証への意見表明が記載されます。
第2部 受託会社のシステムの記述書【受託会社が作成】
● | 受託会社のアサーション | ||||||
受託会社が、規準に基づき作成した以下のようなアサーション及びその評価の規準が記載されます。 | |||||||
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● | システムの記述書 | ||||||
受託会社が、監査人の保証業務の対象となる受託業務において設計し、適用している方針と手続に関連する記述、統制目的及び内部統制が記載されます。 |
第3部 | 受託会社の独立監査人による情報提供【受託会社監査人が作成】 |
記述書に記載している内部統制のうち、受託会社監査人がテスト(主に内部統制の運用状況を確かめる手続)を実施した内部統制並びにテストの内容、時期及びその結果が記載されます。
第4部 受託会社からのその他の情報提供【受託会社が作成】
受託会社監査人の意見表明の対象とならない、その他の情報について記載されます。
■ISAE3402の主な事例
SAS70報告書や、日本基準による同様の報告書は、日本では以下の金融機関や企業の業務などで数多く作成されています。これらの多くはISAE3402/SSAE16による報告書へ移行していくと想定されます。
・ | 信託銀行(年金の制度管理業務、信託財産の運用・保管業務) |
・ | 生命保険会社(特別勘定運用業務・年金制度管理業務) |
・ | 投資運用会社(資産運用業務) |
・ | システム会社(システム開発・運用) |
・ | 人事関連アウトソーシング会社(給与計算業務) |
