
2007.11.26
金融商品取引法に基づくディスクロージャー制度(2)−継続開示制度の改正の概要−
平成19年9月30日に金融商品取引法(以下「金商法」という。)が施行され、継続開示制度が大幅に改正されました。
1.四半期報告書制度
四半期報告制度は、適時かつ迅速な企業業績等に係る情報の開示を確保することを目的として導入されました。会社の事業年度が3月を越える場合、当該事業年度の期間を3月ごとに区分した各期間のうち最後の期間を除いたものについて、各期間終了後45日以内に四半期報告書を内閣総理大臣に提出します。当該四半期報告書については、公認会計士又は監査法人の監査証明を受けなければなりません。
(1) |
対象会社 |
|
金融商品取引所に上場されている有価証券及び流通状況がそれに準ずるものとして政令で定める有価証券の発行会社とされます。ただし、特定有価証券の発行者を除き、有価証券報告書を提出している会社は、任意で、四半期報告書を提出することができます。
|
(2) |
四半期報告書 |
|
四半期報告書には、会社の属する企業集団の経理の状況その他の公益又は投資者保護のために必要かつ適当なものとして内閣府令で定める四半期報告書記載事項を記載します。内国会社は第四号の三様式、外国会社は第九号の三様式に従って作成されます。内容は現行の半期報告書の記載項目を基本としますが、連結ベースでの開示とするなど、迅速性・適時性の要請等を踏まえたものとなっています。このうち、「経理の状況」は、原則として四半期連結貸借対照表、四半期連結損益計算書及び四半期キャッシュ・フロー計算書のみであり、具体的な作成方法等については、「四半期連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」が新設されました。
|
(3) |
四半期レビュー報告書 |
|
四半期連結財務諸表(作成されない場合は四半期財務諸表)の監査証明は、その提出会社と特別の利害関係のない公認会計士又は監査法人が、四半期レビュー報告書を作成することにより行います。四半期報告制度の適時かつ迅速な企業業績等に係る情報の開示という目的から、四半期レビューは、通期の「監査」に比べ、簡素な手続となっています。 |
2.内部統制報告制度
内部統制報告制度は、財務報告に係る内部統制の強化を図ること等を通じて適正な企業情報の開示を確保することを目的に導入されました。財務報告とは、財務諸表(連結財務諸表を含む)及び財務諸表の信頼性に重要な影響を及ぼす開示に関する事項に関わる外部報告をいいます。対象会社は、事業年度ごとに、当該会社の属する企業集団及び当該会社に係る内部統制報告書を有価証券報告書と合わせて内閣総理大臣に提出します。当該内部統制報告書については、公認会計士又は監査法人の監査証明を受けなければなりません。
(1) |
対象会社 |
|
金融商品取引所に上場されている有価証券及び流通状況がそれに準ずるものとして政令で定める有価証券の発行会社とされます。
|
(2) |
内部統制報告書 |
|
内部統制報告書は、会社の財務報告が法令等に従って適正に作成されるための体制について、内閣府例で定めるところにより評価した報告書です。
内部統制報告書の用語、様式及び作成方法は、内部統制府令によるものとし、それに定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に従います。一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準には、企業会計審議会が公表する基準が該当します。内部統制報告書は会社の事業年度の末日を評価の基準日とし、内国会社については第一号様式、外国会社については第二号様式により作成されます。
|
(3) |
内部統制監査報告書 |
|
内部統制報告書の監査証明は、その提出会社と特別の利害関係のない公認会計士又は監査法人が、内部統制監査報告書を作成することにより行います。内部統制監査は、内部統制府令の他、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査に関する基準及び慣行に従って実施され、その結果に基づいて内部統制監査報告書が作成されます。一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査に関する基準には、企業会計審議会が公表する財務報告に係る内部統制の監査が該当します。内部統制監査報告書は、原則として財務諸表監査報告書と合わせて作成されます。
|
3.確認書制度
確認書制度は、有価証券報告書、四半期報告書及び半期報告書に、それらの記載内容が金融商品取引法に基づき適正であることを経営者が確認した旨を記載した確認書を添付するものです。
(1) |
対象会社 |
|
1.内部統制報告制度 (1)対象会社と同様。
|
(2) |
記載事項 |
|
内国会社については第四号の二様式、外国会社については第九号の二様式に従って作成します。
|
4.罰則強化
開示書類の虚偽記載及び不公正取引の罰則強化等について、次の改正が行なわれました。
- 有価証券届出書等の虚偽記載、不正行為、風説の流布・偽計、相場操縦等に対する法定刑が、「5 年以下の懲役又は500 万円以下の罰金」から「10 年以下の懲役又は1000万円以下の罰金」に引き上げられた
- 有価証券届出書等の不提出、内部統制報告書、四半期報告書等の虚偽記載やインサイダー取引等に対する法定刑が、「3 年以下の懲役又は300 万円以下の罰金」から「5 年以下の懲役又は500 万円以下の罰金」に引上げられた
- いわゆる「見せ玉」行為について、相場操縦行為として刑事罰の対象とされている顧客が行うものについて新たに課徴金の対象とするとともに、証券会社が自己の計算で行うものについて新たに相場操縦行為として刑事罰・課徴金の対象とされた
公認会計士 小柴 美樹
|