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![]() 2006.5.1 新会社法と公開準備会社の留意点(1)−資本政策【1】 種類株式− 会社法においては、新たな資金調達方法や種類株式が導入されています。それに伴い、上場準備会社における資本政策の進め方も今までにはなかった方法が選択可能になりました。ここでは、その一例である種類株式について取り上げます。 種類株式 (制度の概要) 種類株式とは、剰余金の分配や株主総会における議決権等について、内容の異なる株式のことを言います。旧商法でもいくつかの種類株式の発行が認められていましたが、会社法ではさらに新たな種類株式が加わりました。
(上場準備会社における活用例) a. 議決権制限株式の利用 資本政策において、上場準備会社のオーナーは、資金調達はしたいが経営権も維持したいという相反する目的の狭間で頭を悩ませることになります。その一方でベンチャーキャピタルなどのように、専ら関心は上場に伴うキャピタルゲインにあり、株主総会における議決権の行使にはそれほど関心がないという投資家もいます。 b. 拒否権付株式の利用 ベンチャーキャピタルが株主総会の議決権行使に関心がないとは言っても、投資の決め手となった事業を売却するとか、第三者割当増資を有利発行で行うといった場合にまで議決権を失ってしまうと、自らの利益を守ることができません。そこでこれらの決議についてのみ拒否権を有するような拒否権付株式を発行することで、ベンチャーキャピタルのニーズに対応することができます。 c. 取得請求権付株式の利用 ベンチャーキャピタルが会社に投資するにあたって、投資先のオーナー経営者や会社との間で株主間契約や投資契約を締結し、投資リスクを抑えるケースがあります。具体的には、株式上場の見込がなくなった場合にはベンチャーキャピタルの持株をオーナーや会社が買い受ける旨を株主間契約や投資契約のなかで定めるといったことが行われます。これらの株主間契約や投資契約については、法的拘束力や強制力について疑問が呈されていたところでしたが、取得請求権付株式で対応することにより、法的位置づけが明確になり、契約上のトラブルなども生じにくくなるものと考えられます。 d. 取得条項付株式の利用 種類株式が長期間存在すると、事務手続の負担がかかるほか、各種類株主間の利害調整が煩雑になるなどの弊害が生じます。そもそも上場準備段階で発行される種類株式は、上場準備段階特有の状況に対処するために一次的に発行するという意味合いが強いものと思われます。そのため、株式上場を果たし、証券市場から資金調達ができるようになった段階では、種類株式を消滅させることが望ましい場合も考えられます。こういった場合には取得条項付株式を利用することができます。会社が取得条項付株式を買い受けたときの対価としては社債や自社株式によることも認められているため、例えば株式上場を取得条件とした種類株式を買い受け、対価として普通株式を交付することで、種類株式を普通株式に転換することができます。 次回は、株式無償割当とデッド・エクイティ・スワップについて取り上げます。 公認会計士 橋本 裕昭 |
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