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![]() 2005.12.1 資本政策の最近の動向(5)−民事再生法適用会社の再上場− 1.はじめに
資本政策の最近の動向については、これまで買収防衛策の内容を中心に3回紹介し、第4回目の前回はMBO型の株式上場について最近の事例とその資本政策の留意点について紹介しました。
今回は、民事再生法適用会社の再上場について、はじめて再上場を果たした(株)かわでんの事例をもとにその資本政策の留意点を説明したいと思います。
民事再生法は中小企業のための再建型の倒産手続きとして、和議法にかわり平成12年4月に施行された法律です。最近は大企業においても民事再生法の適用が申請されており、企業再編に果たす役割は大きくなっています。
民事再生法には、旧経営者が退陣せず再生債務者として自ら会社再建のために再生手続きをする場合(DIP型)と裁判所によって監督委員または管財人が選任される場合とがあります。
(株)かわでんの場合、監督委員が選任され再生されています。
民事再生法は会社更生法とは異なり、通常は管財人が入らず、監督委員のもとで従来の経営陣が事業を継続します。そのため、管財人が事業の運営を一時的に代行して再建を進める形を前提とする会社更生法と比較して、迅速に手続きを行うことが可能等の理由から企業価値の毀損が少ないなどの利点があります。 2.(株)かわでんの事例分析
(株)かわでんは、配電制御設備のカスタム専業メーカーとして業容拡大しましたが、バブル期の過大投資とシェアーを重視した営業政策と相俟って、平成12年9月に民事再生手続きの申し立てを行い、同年12月に上場廃止になっています。しかし、平成16年11月にわずか4年で復活上場した会社です。
民事再生手続きの申し立てから、再上場までの経緯、スキームの概要は以下のとおりです。
旧経営陣は、民事再生手続きを行うにあたり一新されています。
民事再生法適用会社の再生手続きにおいては、(1)投資資金の回収によるキャピタルゲインを目的とする投資会社または投資ファンドをスポンサーとするケース、(2)同業他社や取引先等をスポンサーとするケース及び(3)スポンサー無しで自力再建を行うケースがあります。
上表のとおり、(株)かわでんは、投資会社であるソフトバンクインベストメント(株)及びイー・リサーチ(株)を再建のスポンサーに選任しています。
投資会社をスポンサーとした場合、スポンサーにとって不要な部門や管理部門の重複等が生じやすい(2)のケースと比較し従業員の雇用が確保されやすく、また、(3)のケースと比較しても新たなスポンサーの登場で信用力・資金力が向上しやすいというメリットがあります。(株)かわでんが民事再生手続開始の申し立てからわずか2年足らずで債務の一括弁済を行い、民事再生手続を終結出来た大きな理由の1つに、スポンサーからの増資・直接借入や資金調達のサポートがあると考えられます。 発行済株式の推移
安定株主対策として、平成13年8月の第三者割当増資以降、公開準備期間中はソフトバンクインベストメント(株)・LBOファンドから取引先や従業員持株会へ株式移動するとともに、従業員のインセンティブとして、役員、従業員を対象に新株予約権を発行しています。
特別利害関係者等の株式移動
申請日現在の株主構成及び公募、売出しの状況は以下のとおりです。
株主構成
引受証券会社・・・大和證券エスエムビーシー(株) 売出し
売出しにより、イー・リサーチ(株)は株式の大半を放出し投資回収しましたが、メインスポンサーであるソフトバンクインベストメント(株)・LBOファンドは引き続き相当数の株式を保有しています。なお、ファンドの運用期間である平成20年4月(2年の延長可能)までに株式が売却されることになっています。 3.民事再生法適用会社の再上場の資本政策上の留意点
民事再生法の場合、通常は監督委員のもとで現経営者が事業を継続するので、比較的迅速に手続きが行えます。また、旧株主の責任の明確化、新スポンサーの増資資金希薄化防止等のため、通常、資本は100%減資後に増資が行われることから、既存株主を気にせずに自由に資本政策ができます。
株式公開は、民事再生法適用会社のスポンサーにとっては投下資本の回収手段としては有用ですが、投資ファンドがスポンサーの場合、投資利回りを考慮するため、いずれ株式を売り抜けるはずであるので、メインスポンサー以外の安定株主を作っておくことが資本政策上必要です。
(株)かわでんの場合も、公開準備期間中に取引先、従業員等に株式を引き受けてもらっており、また、従業員持株会や従業員に対しても株式の発行または新株予約権が付与されています。これも安定株主対策や従業員のインセンティブになっていると思われます。また、株式公開後、浮動株の抑制のための自己株式の取得も行っています。
参考までに最近の企業再生型のIPOをみると、会社更生法を適用したマックスバリュ東海(株)(旧ヤオハンジャパン)、(株)京樽は、破綻から再上場まで、それぞれ6年10ヶ月、8年8ヶ月を要し、投資ファンドに比較して再上場まで時間がかかっています。
公認会計士 田邊 史健 |
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